meetupCARTA #2 スマホゲームにおけるUI/UXデザインに参加しました
- 株式会社アマナイメージズさん主催の勉強会に参加したのでメモ
- PORTFOLIOやゲーム素材マーケットCARTAを運営する会社さん
なぜいまスマホゲームのUIUXに向き合うのか
自己紹介
- 鷲山 優作さん (株式会社サイバーエージェント UIUX Lab代表/株式会社グレンジ 取締役CCO)
- 代表作はポコロンダンジョンズ
1) 市場規模が大きく成長
- スマホゲーム市場は国内規模だけでもうすぐ1兆円規模
- 他の市場に比べて平等に開発チャンスを感じれる市場
- より大きなプロダクトの開発に携えるスマホゲームは良い
- 規模が大きいプロダクト: 良い事も悪い事も反応が大きい (分かりやすい)
2) スマホゲームの性質
- UIUXデザイン力を向上させるには試行回数が大事
- 試行回数が増える性質を備えている
- ゲームである: 設計段階で考慮する要件が圧倒的に多い
- BtoCである: ユーザからの直接的なフィードバック
- 運用が入る: リリース後も最適な形へと磨き上げられる
3) ゲームのノウハウを学習出来る
- コンシューマの時代から人が熱中するコンテンツのノウハウが数多く蓄積されてきた
ゲームニクス: ゲーム内にたまった5つの原則 (サイトウアキヒロ氏)
ゲームニクス理論 from TANREN Inc.
www.slideshare.net
- ゲームニクスはおもてなしの文化
- さりげないおもてなし、和の心そのもの
- 1) 直感的で快適なインターフェイス
- 2) マニュアル不要のユーザビリティ
- 3) はまる演出
- 4) 段階的な学習効果
- 躓かないように、もしくは時にはわざと躓かせる
- 5) リアルとバーチャルのリンク
- リアルにどれだけバーチャルな部分をリンク出来るか
まとめ
- (1) 大きな市場で平等に勝負出来る
- (2) 試行回数を上げてUIUXデザイン力UP
- (3) ゲームに溜まる熱中するノウハウを吸収できる
- なぜいまスマホゲームのUIUXに向き合うのか?
- UIUXに関わる人が成長できる環境だから
シリーズを越えて試されるUIUX
自己紹介
- 坂本 康朗さん (株式会社モブキャストD3企画部 部長)
ゲームにおけるUIとは
- ユーザとゲームにおける接点/接触面
- これは決して視覚に限った話ではない
- 視覚/聴覚/触覚のアプローチ
あるゲーム開発を振り返って読み解くUIUX
- LUMINES PUZZLE×MUSIC
- 歴史あるタイトル
- ルミネス - Wikipedia
- 「かつてないほどの没入感あふれるプレイ感覚」
LUMINESシリーズのUX
- 視覚: ヴィジュアル/エフェクト
- 聴覚: サウンド/BGM/SE
- 触覚: 操作感
- パズルゲームだけど音楽を操作しているような感買
スマホで同じUXを実現する為に
- 1) 直感的な操作性を目指した画面の向きの変更
- どうやって画面の向きを決めているか?
- 最初は横画面で作っていた
- 前作以前のユーザの声 ... etc
- 最終的には実際のプレイ結果を元に調整して縦画面に
- スワイプとフリックの誤操作が肝だった
- 指の可動範囲と動く向きの考慮が出来ていなかった
- 大事なのは、想い通りの場所にブロックを動かせることだった
- スワイプとフリックの誤操作が肝だった
- 学び
- 過去の常識を疑う勇気
- ユーザが答えを知っているとは限らない
- UI(画面の向き含む)は操作性が最適である事が前提
- 2) 全てがサウンドに連動した演出
- ルミネスにおいてはサウンドは最も重要なUI
- 連動すると意味が生まれ、理解が進み、結果的に没入感が増す
- 1) 楽曲(BGM+SE)とその順序
- 楽曲にはストーリーがある
- メロディで盛り上がりを表現
- 2) SEとクォンタイズ
- 発音タイミングをBGMの店舗に合わせる補正機能
- 結果的に演奏している感を生み出すコアな部分
- 例: https://tonejs.github.io/examples/quantization.html
- 3) 楽曲に合わせたアニメーション
モブキャストのゲーム共通機能/資産
- Coffeeプロジェクト
- Common-Feature: 共通機能を研究開発するプロジェクト
- Untiyゲーム開発でよりよいものをより早く作る為の当たり前のものを用意する
- UIUXについてはデザイナではなく職種関係なく考えていく必要がある
- 当たり前の気持ち良さを提供したい
- 気持ち良さの感覚を揃えるために、基準のUIを作ってしまう
ゲーム開発にプロトタイピングが有用な件
自己紹介
- 楠 薫太郎さん(株式会社DeNA Games Tokyo デザイン部 部長 / クリエイティブディレクター)
プロトタイピングって?
- プロダクト開発に関わるメンバーの脳内イメージ/認識を共通化すること
- 脳みその中のイメージは人それぞれ
- 脳内イメージの共通かはプロダクト品質や開発スピードが向上
スマホゲーム開発って大変じゃない?
- コンテンツボリューム多い
- 画面遷移多い
- 仕様も複雑 (ユーザにとってではなく開発者にとって)
- 様々な機能が複雑に関係し合っている
- 運用をみこした設計も必要
- ...etc
なぜゲーム開発でプロトタイピングなのか
- 開発に参加している中で個人的に一番解決したかったポイント
- 企画/仕様: 資料上である程度認識が合う
- UI/インタラクション: 認識が合わない
- モノが無いとイメージ出来ないから
プロトタイピングツール
- AdobeXD: アドビの新しいUXデザインツール、Adobe XD (Preview 1) 登場!使い方をクイックに解説 | Adobe Creative Station
- prott: Prott - Prototyping tool for Web iOS Android apps
- Flinto: Flinto – App Prototyping Tools For Designers
- Origami: Origami Studio — Design Prototyping
- ... etc
プロトタイピングツールでできること
- 実際にタップした時のインタラクションを細かく実装できる
- 実機で手軽に確認できる
- 実機確認をエンジニア工数を使わずにデザイナー作業のみで完結できる
- UI設計に置いてもタップ領域や視認性等も同時に調整出来る
- ツール自体に様々なインタラクションのライブラリがある
プロトタイピングツール使用結果
- 考慮漏れを防ぐ事が出来た
- 実際にユーザが触る者に近いものを早く作れ、ブラッシュアップ工数捻出につながり品質向上
- 改善点の洗い出しが早くなり、開発スピード上がった
- 作業のやり直し、コミュニケーション工数の減少
ポイント
- 特性や影響範囲を見極めてプロトタイピングツールを使う必要がある
- インタラクションを多用する機能改修では有用
- 全体の遷移設計等はワイヤーフレームでカバー
スマホゲームUI/UXデザインの今とこれから (ディスカッション)
- Q. 楠さん: ゲームのプロトを最初の段階でも使った? 運用中だけ?
- タイミングの話、たまたまリリース後に注目した
- Q. 楠さん: デザイナーが主に使う?
- 企画の人がプリミティブなイメージで触るのもあり
- 直接グラフィックを触るデザイナーさんのほうがスピード上がりそう
- Q. 尖ってるアプリはある?
- 楠さん: モンスト幽幽白書でコラボ、CMのコラボ演出のUX
- 坂本さん: 遊具王デュエルリンクス、外国の人に見せると子供向き、30代(世代)の方がハマってる、懐かしめる要素が詰まってる
- 鷲山さん: 挑戦していると思うHIDE AND FIRE、白猫テニス、プレイ感が広がるタイトル
- Q. UIUX論の社内での布教
- 鷲山さん: スマホに限定すると今までの(FPからの)流れもある、ちゃんとUIUXやらないと通用しない時代になっている、会社向けにも重要性を発信する、開発プロダクトの底上げが出来る環境の整え
- 楠さん: UIUXそのものの布教はやってない、UIUXはなんであるのかを考えると、クオリティ向上が大本、本質として市場が大きい状態で勝てるように
- 坂本さん: モブキャスト、UIUXデザイナーという職種が無い、職種問わず(プランナー/デザイナー)考える
- Q. UIUXを考える人が社内にいる?
- 鷲山さん: UIデザイナーはいる、基本的には挙手制、やりたい領域が多い程接触する職種の人が増え、役割が多岐に渡る
- 楠さん: 鷲山さんの言う通り、やる領域が多く、組織やタイトルによって役割が違う、UIデザイナーを定義すると逆に出来なくなるリスクがある
- Q. 組織横断的なUIUXデザイナーの成果はどのように評価されている?
- 楠さん: 次からやろうと思っているのが今期の自信作、どういうコンセプトで何を達成したい為にやったのかというプレゼンと評価、アウトプットを見る仕組みを整える
- Q. 色々な人が絡んでいるので、どうその人の成果として見極めるか?
- 鷲山さん: 評価軸、事業成果と個人のスキル/アウトプット、技術が高いけど事業成果は低いから評価低いよね、みたいなことにならないように... 周りの評価も加味してあげる
- Q.今後この業界で活躍して行く上で大事なポイントは?
- 楠さん: プレゼン聞いててやられた「おもてなし」は大事、サービス精神、人を楽しませる事が大好きな人は成長/活躍出来るフィールド
- 鷲山さん: 括るのは難しい、非ゲーム業界から入ったのでこういうことやってないと作れないみたいなのはない、小さい頃や昔の幼少期の原体験、昔ながらの遊びに体験のベースが詰まってる、「ああいう体験に似てるよね」みたいなことを話せる人は向いている、開発は何作ってても大変なので挫けないやつ
- 坂本さん: 技術はやれば伸びる、興味が無いと伸びない、ゲームに対して興味が無い人はゲームは作れない、好きなジャンルや得意不得意あると思うけど何でも良い
- Q. プロトタイピング自体の動きに左右されないか、どこまで突き詰めればいいか
- 楠さん: 設計をどこで終わらせるかは難しい、メンバーや技術力にも左右、どこまでやるかを決めてやるだけなので開発メンバーと話す感じ