Unity++ ショートセッション勉強会にてCinemachineについて発表してきました
青木です。先日 7/20(土) に 日本Androidの会 Unity部 主催の勉強会 Unity++ ショートセッション勉強会 にて登壇し、Cinemachineについて発表しました。
自分の資料に関しては以下となります。
(また後日 Unity Learning Materilas にて動画掲載される予定です)
背景
Unity部の むろほしりょうた さんが 「LTじゃ伝えきれないUnituの知見をショートセッションで!」 をコンセプトにした勉強会を考えていまして、企画段階から非常に面白そうなイベントで何かしらお手伝い出来たらいいなぁと考えていたのですが....
なんと「Timeline×Cinemachine」のお話を聴きたいとお声掛けいただきまして、折角なのでチャレンジしてみようと思った次第です。
毎回 #unity1week で素敵なゲームを作り、#gotandaunity を主催され、Unityアンバサダーな .@lycoris102 青木ととさん。
— むろほし (@RyotaMurohoshi) 2019年7月17日
ととさんのCinemachineの話、めっちゃ聞きたい!
個人的にCinemachineはまだ触れてないけど、めっちゃ気になる!!!https://t.co/72r4w2NsDQ#unity_pp
(このツイートもそうなのですが、むろほしさん本当に相手に期待値伝えるのが上手くて、やはりこういう風に言ってもらえるとめちゃくちゃ嬉しいですよね!)
...... というわけでCinemachineの話をしようと思ったのですが、 実は自分も最低限くらいのことしか知らず .... (以下ちょっと触った時のツイート)
はじめてのCinemachine pic.twitter.com/ancdfFVjmj
— 青木とと(((ˊᗜˋ*))) (@lycoris102) 2018年5月15日
Cinemachine
そんな訳で登壇駆動開発/勉強しよう!と思い立った訳です。Cinemachineはリリースされて1年半くらい経過しており、実は結構色んな人が検証を進めていた後なので非常に学習しやすい環境でした。とはいえ、自分の周りで「使ってるよ!」という声もあまり聞かないので、導入までの敷居が高いのかなぁ...という仮説がありました。この時点で 「どういうことが出来るか、利便性を伝える」「導入方法を分かりやすく伝える」 の二軸で行こうと考えました。
2Dに関しては公式から Cinemachine を 2D で使用する ― ヒントとテクニック という記事が去年の7月に掲載されています。見て分かると思いますが、今回の発表に関してはここの影響を濃く受けており、新規性の観点からいうとかなり欠けていた発表となってしまったのが反省点です。他の人が実務的/経験的な話をいい感じにしてくださったので、どうしても際立ってしまったように感じています。
結果的には 「Cinemachine触ってみたくなった」「今まで映像でしか使えないと思っていたけど、これならゲームで使えそう」 といった好意的な感想もいくつかいただいたので、発表して良かったと思っています。
発表について
実は 何本かLTはやったことはある のですが、 25分のショートセッションはこれが初めて でした。
準備~当日発表するまでめちゃくちゃ緊張していました。最初練習したときには理解の甘い部分もあり、しどろもどろしながら30分以上掛かってしまいました。その後、2~3回通しで練習しつつ資料を削ったり話しやすいように調整したりしながら、何とか25分に収めることが出来ました。時間計測しながら本番さながらな練習するの、やっぱりすごく大事ですね。本番は何とか25分に収めることが出来ました。ホッとした。
最後に
Unity部の皆さん/登壇者の皆さん、お疲れ様でした! 豪華メンバーによる濃いセッションが聞けて満足です。日頃からこういう登壇されている方々はやっぱり凄いと思います! 参加者の皆さん、ご参加いただきありがとうございました!
5月のUnity道場で「ゲームジャムにおける企画の作り方」を聞いてきました
前提
🤔この記事のコンテキスト
Unity道場 はユニティ・テクノロジーズ・ジャパン公式のセミナーで2019年5月現在は月1回の頻度で開催されています。先日 Unity道場 5月 〜ゲームジャムで役立つ超速ゲーム企画〜 に参加し、ゲームジャム における企画の作り方を学んできました。"ゲームジャムにおける" というコンテキストでお話されていましたが、業務としても部分的に活かせる部分はあるのではと思い、この記事では学びをまとめていきます。
📢登壇者
UTJ社の簗瀬洋平さん ( @yoh7686 ) が今回座学およびワークショップの進行を務めてくださいました。過去にはゲームデザイナーとして「ワンダと巨像」等のタイトルに携わり、現在UTJ社ではプロダクト・エヴァンジェリストとしてコンテンツの研究、およびUnityのアカデミックな分野に対するサポートを行なっています。
📽今回の発表について
ゲームジャム における企画の立て方について他の人に紹介するための資料として以下が公開されています。
www.slideshare.net
また後日セミナーの様子が動画として Unity Learning Materials 上で公開される予定とのことです。
座学
🎮ゲームジャムというコンテキスト
今回のセミナーは「ゲームジャム」における企画立てという前提で話が進められました。ゲームジャムとは ゲームクリエイターが集まり短時間でゲームを制作するイベント のことを指します。ゲームジャムと商業向けなゲーム開発では以下のような差異があると考えます (ここはあくまで自分個人の考えであり、適応されないケースもあります)
👂消極的な人の意見のヒアリング
一般的なゲーム開発では企画職 (プランナー/ディレクター等) がゲームアイデアを考え、まとめることが多いですが、ゲームジャムにおいては最善手でない場合があります。上記に記載した通り、ゲームジャムでは 「面白いゲームを完成させる」ことが目的であり「期間が短い」ことが肝 となっています。
企画職を過信しすぎない (アイディアを出す力は職種に寄らず持っているだろうし、コードを書かない人がその場のメンバーの強みを活かせるか悩ましいため) #Unity道場
— 青木とと(ˊᗜˋ*) (@lycoris102) 2019年5月30日
短時間でゲームを完成させるためには、各メンバー/セクションが力を発揮出来る企画である 必要があります。そのために、あまり声を発しないエンジニアやアーティストといった人も「自分の持ち味を活かすためのアイデアや実現可能性としての意見」を出すことが需要なポイントとなります。
今日の内容にも関係あるとのこと #Unity道場 | 消極性デザイン宣言 ―消極的な人よ、声を上げよ。……いや、上げなくてよい。 | 栗原一貴, 西田健志, 濱崎雅弘, 簗瀬洋平, 渡邊恵太, 小野ほりでい |本 | 通販 | Amazon https://t.co/6eEjLZsG8h
— 青木とと(ˊᗜˋ*) (@lycoris102) 2019年5月30日
上記は簗瀬さんも関わられた書籍になるのですが「能力はあるが主張に対して積極的でない = 消極的な人の意見をデザインの力、仕組み化によって表出し、コミュニケーションを活性化させる」ことを目的にした本であるとのことです。この思想を元に、全員でブレインストーミングを行う時間がワークショップでは設けられていました。
こういうブレストのような形式にするのは、エンジニア/アーティストの人の意見を組み込むため。極限まで情報を減らしたフォーマットで統一して同じ土俵で評価し合う #Unity道場
— 青木とと(ˊᗜˋ*) (@lycoris102) 2019年5月30日
🎲ゲームにおける企画
Q:ゲームとはッ
— 椿 (@tsubaki_t1) 2019年5月30日
A:ルールとゴールのある遊びであるッッッッ #Unity道場
Q. 遊びとは?
— 青木とと(ˊᗜˋ*) (@lycoris102) 2019年5月30日
A. 日常の中でしない行為を発見し突き詰める過程を楽しむこと#Unity道場
今回はゲームをは「ルールとゴールが存在する遊び」であるとし、遊びを 「日常の中でしない行為を発見し突き詰める過程を楽しむ」 という風に定義しました。これに基づいて、ゲームにおける企画立ては 「プレイヤーの行う行為に対し、ルールとゴールを定める」 ことであるという風に倒しました。
遊びについて掘り下げるとロジェ・カイヨワの4分類などに行き着きますが、噛み砕いて説明しているスライドがあったので合わせて紹介します。
www.slideshare.net
🔍3つの要素から企画を作る
上記を考えやすいフォーマットに落とし込むため、3つの要素に分解します。
上記の要素それぞれに対して、端的に伝えられるような魅力が備わっており、また相互的にシナジーがあるものを考えていきます。
⚙メカニクスについて
メカニクスは既存のゲームジャンルから当てはめるのが一番手っ取り早く、他の人に伝わりやすいという風に感じました。ただジャンルを当てはめた時に、ジャンルが広すぎてイメージが付きにくかったり、仕様がデカすぎて作り切れないケースがあるので、その時は掘り下げる必要があります。
例えば「RPG」を取り上げるにしても、どのRPGをイメージしたらいいのか、もしくはRPGのどの要素をピックアップするのかが人によって異なります。枕詞を付ける (コマンドバトルRPG) などの工夫をすると少しマシになる気がしています。
また単一のジャンルを当てはめるだけでは、新規性に欠け、面白さを感じにくい場合もあります。その時は簗瀬さんからも提案がありましたが 既存のメカニクス/ジャンルを2つ組み合わせてみる という解決方法を試してみるのも良さそうです。
メカニクスの引き出しを増やす上でもおすすめ📕 #Unity道場 | 3Dゲームをおもしろくする技術 実例から解き明かすゲームメカニクス・レベルデザイン・カメラのノウハウ 大野 功二 https://t.co/d2TDAzrosz @amazonJPさんから
— 青木とと(ˊᗜˋ*) (@lycoris102) 2019年5月30日
こういったメカニクスのアイデアを出せるかは自分のゲームの経験値にも依存するのですが、実際のゲーム経験以外にもUTJ大野 功二さん (@opn1) の書籍にもアイデアが詰まっていてオススメ!ということでした。
余談ですが、大野さんの以下の発表がすごく面白かったです。レベルデザイン/バランシングを考える上で頭に置いておくといい情報が詰まってます。
www.slideshare.net
ワークショップ
ワークショップは4人前後の班に分かれて行いました。
✏️ブレスト
20分の時間を設け、先ほどの3つの要素を付箋に埋めていきます。今回は特にテーマもなく、各人がテーマを含めて考えるところからスタートしました。
🕳要素の埋め方
何もない真っさらな状態から3つの要素を合わせて考えるのは非常にハードルが高いので、1つ適当に埋めてから考えるのが楽になります。また3つの要素で上手くバランスを取ろうとすると、綺麗にまとまりすぎて既に市場にあるものと似通ってしまいがちなので、敢えて全く関係のない要素を埋めたりするのも一つアプローチがあると思います。具体的には「テーマ/表現」「メカニクス」のどちらかを埋め、もう片方を既製品にないような適当な用語を入れ「プレイヤーの行動」によってバランスを取っていくというのが個人的にやりやすかったです。
📦投票
ゲームジャムではそれぞれの納得感、作りたい企画か、というモチベーションも大事になってきます。また時間が短いという背景もあり、ブレストで出たアイデアに投票する形で絞り込んでいきます。各人がシールを持ち、面白いと思うアイデアに対して貼っていきます。
✨ブラッシュアップ
シールの多いものから主に以下の点を詰めていき、最終的には1つに絞り込みます。
📣発表
各班で考えた企画を発表し合いました。
👨👩👦👦自分の班の発表
上記は自分が所属した班の企画アイデアです。同じ班のもにかさん (@monicanicman) もブログにて詳細を記載しています!
葵さん(@pirorirori_n712)の記載した「引っ越し」というテーマから話が広がっていったのですが、評価も付けやすくて様々なジャンルと組み合わせ可能でカジュアルゲームには持ってこいな題材だと感じました。
自分は 引っ越し奉行 が好きでその紹介を行なったり、物理ゲーの中にも選択によるジレンマを組み込みたくて「家具を選択させる」というメカニクスのアイデアを出したりしました。そこからカードゲームのデッキみたいに管理するのはどうか?みたいなアイデアがメンバーから飛び出て 「その表現なら運によるリトライ性も強く担保できるし、将来的には家具以外にもトラック交換みたいなイベント系の要素もカジュアルに仕込みやすくて最高!」 とか思って一人興奮してました。最終的には (個人的には) すごい面白そうなゲームにまとまって、チームメンバーの皆さんに感謝....!!
👥他の班の発表
他の班がどういう企画をまとめたかはラズ (@Raspberly) さんがブログに記載しています。
自分は出た企画の中では「田んぼレーシング」がテーマのインパクト/ジレンマの付け方の着想が良くて、面白いなーと感じました。普通は「田んぼ」と「レーシングゲーム」を組み合わせないので「ああ、これがテーマのインパクトのパワーか...」と。
📝まとめ
ゲームジャムではこんな感じで企画を決めると良い! #Unity道場 pic.twitter.com/KlZ95DrwoJ
— 青木とと(ˊᗜˋ*) (@lycoris102) 2019年5月30日
- ゲームジャムは時間が短いので企画をするだけの人を作らない
- チームメンバーが納得感を持って面白い企画を取り組めるように消極的な人の意見も出せる方式を取る
- 企画を「テーマ」「行為」「メカニクス」の要素で出すことで、同じ土俵でジャッジし合える
- 企画を「実現可能性」「テーマインパクト」「ジレンマ」の軸で検討することで、絞り込みやブラッシュアップに繋がる
💭ゲームジャム以外でどう活かすか
商業的なゲーム開発では最終的には利益に結びつける必要があるので (特にモバイル/ソーシャルゲームでは) どうマネタイズに繋げるのか、長期的な運用は可能かという視座を結びつける必要があるため、なかなかこの方法で出たアイデアだけで企画を決定し、進めるのは難しいと思います。
一方 アイデアを検討する入り口 や チームビルディング後のアイスブレイク (誰がどういうアイデアを持っているか/好みなのかを認知する) として機能させる のは非常に楽しいものだと思いますし 「消極的な人からアイデアを組み上げることが出来る」 というフォーマットは一つ適応できるのではないかと思います。
そしてこれが🍣です #Unity道場 pic.twitter.com/mpWjHw9dvh
— 青木とと(ˊᗜˋ*) (@lycoris102) 2019年5月30日
Gotanda.unity #12 in 株式会社ディー・エヌ・エー @渋谷 を開催しました!
Gotanda.unity (ごたゆに) とは?
Gotanda.unity は都内近郊で活動を行う (五反田発の) Unityクリエイターによるコミュニティです。
- 企業や個人が持っているUnityノウハウを共有する場として機能する
- 企業や個人にスポットを当てて、各自のプレゼンス(業界における価値や存在感)を向上する機会として機能する
- Unityクリエイター同士の交流の場として機能する
■ 現在2ヶ月に1度で勉強会を開催しています。コンテンツは最近はLTを中心にしております。それぞれの知見を共有する場、登壇デビューの場としてご利用いただいております。
■ 初めは五反田近辺で開催していましたが、参加者の規模が大きくなってきたことにより適切なサイズの会場が見つからなくなってきたことや Unityを扱う会社さんと交流したい という思いから、第5回からは五反田外での開催も行っております。
■ 自分、青木とと ( @lycoris102 )とワンダープラネット株式会社より @pinori さんと株式会社キッズスターより @monry さんが中心となって企画/運営しています。
■ その他詳細は以下の記事にまとめました。
Gotanda.unity #12 in 株式会社ディー・エヌ・エー @渋谷
今回のGotanda.unityはDeNAさんの会場をお借りして開催しました!
一般参加/LT合わせて74名の方にお越しいただきました
参加率にしておよそ87%、この規模の勉強会にしては結構多い方だと感じています。また「初めてGotanda.unityを参加した人」の問いかけには (正確には数えていないのですが見た感じの所感として) 6割くらいの人が手を上げていました。Gotanda.unity は毎回初参加の人が多く、面白いなぁと思っています。
▲イントロダクションの様子
📣 発表
スライドには以下にまとめてありますので、ご確認ください! Gotanda.unity #12 in DeNA@渋谷 - 資料一覧 - connpass
また許諾いただいた発表に関しましては後日 UnityLearningMaterials に動画と合わせて掲載予定です。
🍣懇親会
Gotanda.unityでは懇親会では🍣を食べます。いつも懇親会のスポンサーをしてくださる 株式会社キッズスター さん / ワンダープラネット株式会社 さん、ありがとうございます!
#gotandaunity めちゃくちゃおもしろい!!! pic.twitter.com/LbhGuaMi8V
— もにか (@monicanicman) 2019年5月22日
また登壇もしてくださった @mumimumi2000 さん開発のタイトル「モチ上ガール」の試遊会も行われ、非常に盛り上がりました!(余談ですが、Swicthリリース決定おめでとうございます🎉)
💬 一言
発表について
今回も多種多様な発表が行われました! 最初のDeep-Dive into Scriptable Build Pipeline の話は非常にコアで、ビルド分野に今取り組んでる/これから取り組む人にとっては貴重な資料になったと思いますし、その一方 非プログラマー人事が『Unity』を勉強すると、絶望的な現実を見て、エンジニアを尊敬の眼差しで見るようになる件について はエンジニアに限らずUnityを触ってみよう!というメッセージが強く伝わる発表でした。
このように Gotanda.unity は「ごった煮」のような多種多様な発表が行われるため、そこに戸惑われた方も結構いたかもしれません。Unity自体が幅広い領域をサポートしているのでその全てを完全に理解することは難しいですが、 これらの発表が皆さんの「学習するきっかけ」として機能すればいいなぁ と考えてやっています。なので、聞いた人が何かしらの学びを得たのであれば、これ以上嬉しいことはありませんー!(毎回同じようなことを書いているような気がするな....)
運営側として
今回は何と言ってもDeNAさんのサポートがとも素敵でした✨ 月1でDeNAさんで開催されている Game Developer's Meeting や年1で開催されている DeNA TechCon の運営を通してイベント開催に対するノウハウが非常にたまっているのを感じました。設営や撤収が驚くほどスムーズで、イベント中の写真撮影もサポートをしていただきました。今回 Gotanda.unity が快適に感じたのであれば、DeNAの皆さんのおかげです。本当にありがとうございました🙇♂️
▲登壇者の皆さん/参加者の皆さん/DeNAの皆さん、本当にありがとうございました!
📆 次回
次回は7月に開催予定ですが、場所/日程は調整です🙇♂️
余談ですが次回でGotadanda.unityは2周年を迎えます🎉🎉🎉