ゲームジャム部とわたし
はじめに
この記事は モバイルファクトリー Advent Calender 19日目の記事です。
昨日は @masasuzu さんの「障碍対応と私」でした。
自分はもうすぐ年末なので自分が立ち上げた「ゲームジャム部」という組織での活動について振り返ろうと思います。
ゲームジャムとは
短時間(概ね48時間)で特定のテーマに沿ったゲームを制作するハッカソンイベントを指します。 メジャーなものとしては「GlobalGameJam」があり2015年の開催では世界78ヵ国/5000を超えるゲームが制作されました。 また、ゲームを開発する企業が研修および新規開発のモック制作の一環で採択することがあります。
ゲームジャムの魅力
www.slideshare.net
上記のユニティテクノロジーズジャパンの大前さんのスライドにもまとまっていますが 「アイデアからモックへのブラッシュアップ」が「高速」に行えるのが魅力だと思っています。
先日参加したmBaaSユーザ発表会という勉強会において オインクゲームズの山本さんが以下のように話されていました。
- ゲーム開発は「蜃気楼」のようなものだ
- ゲームの面白さを砂漠のオアシスに例え「本物か蜃気楼かは実際に行ってみないと(作ってみないと)分からない」
- 経験的に見定めてからの出発は厳しいので、蜃気楼を受け入れ、再出発を許容することが大事
一方でゲーム開発後には運用(機能追加/イベント/サポート/技術的負債の解消 … etc)が伴い (環境によりますが) 新規開発のリソースは中々確保出来ない (ましてや後戻り等許されない) 状況が 稀に良く存在するのではないかと個人的に思っています。
そういう状況下において、ゲームジャムの開催によって 「短時間でゲームの核を検証すること(蜃気楼の見極め)」が出来るのではないでしょうか。
ゲームジャム部について
社内でのゲームジャムを1月に試し、楽しかったので部活動化しました。 (弊社には部活支援制度があり、活動に対して補助金が発生します)
最初は5人程だった部員が現在は部員は15名程になりました。 具体的には以下のような活動を行っています。
- ゲームジャム: 土日の2日でゲームを一つ開発する (企画/デザイン/音楽/プログラミングを1人またはチームで行う)
また本編のゲームジャムとは別に以下のような活動も開催しています。
成果物について
結果として年間で6個のゲームを作ることができました。 個人的に気に入ったものは記事にまとめています。
また最近は社内での活動に留まらず、外部のゲームジャムへの参加も始めました。
自分のゲーム制作アプローチについて
全般
自分の制作環境は以下の通りです
- ゲーム開発: Unity
- デザイン: Illustrator/Photoshop
- サウンド: FLStudio(DEMO)
[ゲーム開発] Unity
Unityはゲームエンジンです。 ゲーム制作を支援する機能の標準搭載やトライ&エラーしやすいUIになっているのが特徴でゲームジャムのような短時間で動くものを作る場合には向いていると思います。 またUnityは5.2以降であれば以前はPro版オンリーだった機能も無料で使用出来ます。
秘伝のタレを用意しておく
これに関しては賛否あると思うのですが (一部のハッカソンでは事前作業禁止だと思うので) 社内ゲームジャム(モック作成)に関しては非常に有効な手だと思っています。具体的には以下のような要素を含めた unitypackage を作っておくと作業が素早く開始できるのでは無いでしょうか。
- ResourceやSprite等のフォルダ階層
- よく使用するアセットやManagerクラス
- よく使用するエディタ拡張
自分が実際に使用している unitypackage は以下のような感じです。 (制作時期が Unity5.3 未満なので、SceneManagerが名前空間的に重複していますので注意)
GitHub - lycoris102/2DTemplate: Unity 2D Template Project.
上記ではアセットを省いていますが以下のようなアセットを含めて使用しています。
Input.Touches
- https://www.assetstore.unity3d.com/jp/#!/content/3283
- スワイプやドラッグ等のスマホ操作の判定を行うためのアセット
Script Inspector 3
- https://www.assetstore.unity3d.com/jp/#!/content/3535
- 外部エディタを立ち上げること無く、Unity内でコードの記載が出来るようになるアセット
Easy Masking Transition
- https://www.assetstore.unity3d.com/jp/#!/content/8734
- 画面切り替えの時のトランジション処理(暗転等)を簡単に実装出来るアセット
Screen Fader
- https://www.assetstore.unity3d.com/jp/#!/content/9526
- 同じく画面切り替え用 / EasyMaskingTransitionよりは質素だが軽量で安価
2D Layer highlighter
- https://www.assetstore.unity3d.com/jp/#!/content/15610
- Spriteのカテゴライズやレイヤー順序が認知しやすくなる君
UniRx
- https://www.assetstore.unity3d.com/jp/#!/content/17276
- Unity上でReactiveExtensionsを実現するためのアセット (勉強中)
TouchConsole Pro
- https://www.assetstore.unity3d.com/jp/#!/content/25559
- Android/iOSの実機起動時にUnity上のConsoleを表示させるデバッグ用のアセット
[デザイン] Illustrator/Photoshop
主にUIパーツを作ったりするのに使用しています。 フリー素材でも代替出来そうですが慣れると作る方が早く世界観になじみやすい素材が作れます。
[サウンド] FLStudio
FLStuidoはDAWです。ゲームBGMの作成に使用しています。 Demo版はプロジェクトの保存以外製品版と一緒なのでオススメです。
(FLStudioに限らず大抵のDAWは無料の体験版が存在しますが リズムパターンが作りやすいので個人的に気に入っています)
最後に
自分は最近になって目覚めたのですがゲームジャム楽しいですね! ゲームジャム部も今後は社外の人を交えた活動を見据えているので 機会があれば、何卒宜しくお願い致します。
明日は @isaoeka さんです!